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〒060-0003 札幌市中央区北3西7 1-1 SAKURA-N3
北海道コンテンツ法律事務所
電話070-5530-0884
弁護士 林 朋寛
(札幌弁護士会所属)
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ブログ http://bit.ly/2eOFTn8
中小企業の経営者から、主要な取引先の未収金を回収しづらいという話が出ることがあります。
後々の取引を切られてしまうのではないかと心配になり、継続した取引の中で、未収金が生じていても、
支払を強く求めることができないようです。
しかし、心配していても、支払してもらえることは期待できません。
ただ、支払を意図的に遅らせているとは限りません。内部的な請求書の処理が遅れていたりして、取引先が支払すべきものと認識していない可能性もあります。
先回りして心配していないで、まずは支払が遅れている代金があることを取引先に認識してもらうべきです。
まともな企業であれば、未払の代金に相当する商品・サービスを受けているのであれば、その代金を支払うと思います。
もし、認識しているのに代金を支払おうとしないのであれば、
たとえ重要な取引先でも、そのような相手との取引を継続するのは、利益が生じない取引が続くだけで将来性がありません。
そのような取引先との取引を早々に終了・縮小させて次の展開を考えないと、いずれ事業は行き詰まります。
自発的に支払おうとしないのであれば、すみやかに法的回収をすべきでしょう。回収が遅くなればなるほど、回収できる可能性が小さくなります。
下請代金法違反などの場合は、公正取引委員会に申告等をすることも検討したほうがいいでしょう。
また、外部の事業者に発注をすることのある企業の経営者は、自社が不当に代金の不払いをしていないかについて、特に中間管理職をしっかり管理監督しておかれるべきです。
不当な不払いをしている企業からは、まともな事業者は離れていってしまいます。気付いた時は、まともな協力企業がいなくなっていることもあり得ます。
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弁護士 林 朋寛
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私は、中小企業を支援する経営革新等支援機関の認定を受けています。
今日、札幌市内で開催された、経営革新等支援機関を対象にした消費税軽減税率対策に関する研修会に出席してきました。
平成31年10月1日に消費税の税率が10%に引き上げられます。
この引き上げには、①酒類・外食を除く飲食料品、②週2回以上発行される新聞(定期購読契約に基づくもの)については、
税率が8%のままになります。
税率が8%のままの消費税が掛かるのに、軽減税率と言うのは、多分に詐欺臭いです。
消費税の税率が商品によって違うことになるので、事業者も消費者も、煩わしいことになります。
消費税増税への批判・不満をごまかすためにそんな面倒な制度にした、政府与党の不見識にはあきれるばかりです。
そんな軽減(笑)税率の制度に対応、つまり2種類の税率に対応しなければならない事業者は、
レジのシステム等を新たに導入したり改修しなければならなくなります。
そのような導入・改修のための補助金が用意されたそうです。
自分で放火しといて消火するマッチポンプのような話です。
補助金が出るといっても、必要なシステムの全額が出るわけではありません。
実際に増税されてしまって、軽減(笑)税率が実施されてしまうのであれば、
事業者としては対応せざるを得ません。
補助金が出るのであれば、事業者はもらえるものはもらっておくべきです。
補助金のページを見て申請するか、今回のような研修を受けた経営革新等支援機関に相談してはと思います。
国は、この軽減税率の制度や補助金について、経営革新等支援機関つまり民間が講演会などを主催してくれて、軽減税率に関する情報を広めてもらいたいと考えているようです。
民間の活用と見るか、無責任な丸投げと見るかは、それぞれのご見識でしょう。
今後は、経営革新等支援機関(税理士や中小企業診断士、金融機関、弁護士の中で認定されています。)が主催する講演会などがあるかもしれません。(講演会を主催すると補助金が出ます。)
また、市町村などの主催で、軽減税率や補助金についての講習会が催されることもあるようです。
(当事務所では、市町村などからの講演等のご依頼は、別件で相手方になっていなければ、お受けすることができます。)
わが国の将来の財政を考えて、消費税の増税という途をとるにせよ、
軽減税率(複数税率)という欧州で失敗したと言われている制度をわざわざわが国で導入する必要はないのです。
そのようなおかしなことをする政権が早く退陣して、予定される軽減税率の導入が中止されることを願ってやみません。
事業者は税金を払うためにビジネスをしているわけではありません。国民は税金を払うために生きているわけではありません。
税金の制度は、最小限かつシンプルであるべきです。
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長岡淳一・阿部岳『農業をデザインで変える: 北海道・十勝発、ファームステッドの挑戦』(瀬戸内人・2016年)
書店で見かけて購入しました。
十勝などの農家・酪農家にロゴマークなどをデザインしてブランド化している帯広市の会社の本です。
写真が豊富で、眺めているだけで楽しい本です。
観て楽しいだけではなく、地元の十勝の農業・農家をデザイン、ブランドの力で、広めて発展させていこうという著者たちのこころざしを感じました。
デザイン・ブランドの力は、他者・外部だけではなく、農家本人やその従業員の誇りやモチベーションにも発揮されることが分かります。
自社商品ではなく、地域をアピールするのに自腹でトレーラーのデザインを依頼した人の話なども感動します。
ちょっと興味深いのは、この本が、北海道ではなくて香川県の出版社(株式会社瀬戸内人)が発行しているところです。ここにも何かストーリーがあったのでしょうか。
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山之内幸夫『山口組顧問弁護士』(2016年・角川)
山口組の顧問弁護士だった元弁護士の手記です。
作者は、昨年の有罪判決確定で弁護士資格を喪失しています。(この立件については問題あるのではないかと思っています。)
なまじのフィクションよりも面白い生々しさがあります。
ヤクザになる人の哀しさとともに暴力団の恐ろしさも具体的です。
東映と徳間書店と山口組の関わりなんて、今どきこんなにはっきり書いて大丈夫なのかなと、一読者なのに心配にもなります。
作者は、もう何も気にしない境地に至っているのかもしれません。
同書でも指摘がありますが、現在は、住居の賃借や不動産や自動車の売買、銀行口座の開設や、レジャーなどで、
暴力団の組員やその家族は、相当の制限を受けています。
57p「いくら何でもヤクザに対する法の運用は不公平極まりない。警察はイケイケで無茶苦茶な法解釈をしてもある程度仕方ないが、検察官や裁判所まで調子に乗って法を歪めていたら将来に禍根を残す。」
この指摘には同感です。国家の法の運用の正当性を確保するためにも、全ての人の自由を保障するためにも、例外なく公正・平等な法の解釈適用がなされなければなりません。
弁護士や弁護士会あるいは、自由や人権を大事に考えている人々から、暴力団員等への扱いについて批判がもっと出るべきではないかと思います。現実にはそうなっていませんが。
暴力団員への社会生活上の制限は、ニーメラーの詩(「彼らが最初共産党を攻撃したとき」)の状況にも通じるものがあります。
違法不当な行為をした場合は、その行為について誰しも法的責任が厳しく問われるのは当然です。しかし、ある立場にあることだけで不利益を与えるようなことは、法の下の平等にも反するものでしょう。
こういったことも考えてしまいますが、
本書は、ヤクザの世界を垣間見せてくれるエンターテインメント作品としても楽しめます。
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前回までのブログで、弁護士の探し方、弁護士の選び方について書きました。
初めて法律相談する場合は、弁護士のところに連絡とるのも緊張してよく分からないという方もいます。
法律相談の申込は、電話で結構です。
探した法律事務所(弁護士の事務所のことを法律事務所といいます。)や弁護士、弁護士会の法律相談センターには、ホームページなどに電話番号が書いてますから、
その電話に掛けて、法律相談をしたい旨を伝えれば、いつ行ったらいいか等を案内してくれると思います。
電話が24時間対応というのも少ないでしょうし、営業時間外に電話しても出ないかもしれません。
電話での申込が難しくても、多くのサイトでは、問い合わせフォームが用意されています。
問い合わせフォームは、時間に関係なく送ることができます。(問い合わせを受ける側は当たり前に思うかもしれませんが、問い合わせフォームの送信も営業時間内でないとならないと思う方もいます。)
私としては、お電話で申込されるよりも、できれば問い合わせフォームを利用してもらいたいです。
連絡先を残してもらえますし、ご相談内容を、まずはご自分で整理してもらえるので、その後の相談がスムーズに入ることができるからです。
法律事務所に予約をいれずに行くのはお勧めしません。弁護士の予定が空いているとは限りません。また、法律事務所は色々と難のある人も押しかけてくるおそれもあるので、突然の来訪者は警戒されます。
法律事務所に、問い合わせフォームか電話で連絡を取って、法律相談の予約をして、法律相談の準備をしてもらった方がいいです。
準備は、相談当日に持参する書類等の確認です。
契約についての相談なら契約書、不動産の問題なら全部事項証明書(昔で言う登記簿謄本)などの、相談したいことに関係する手持ち資料の用意です。
また、口頭で説明するのは普通は慣れていないと思いますので、事実関係を時間順にしたメモなどを作成しておくと良いと思います。
以前に作った動画です↓ 御参考まで。
前回のブログで弁護士の探し方を書きました。弁護士の情報を集めた後は、どのように選べばいいのかが問題になるでしょう。
結論としては、実際に会って話してみて、説明が親切で分かりやすいかどうかといった相性で決めるのがいいのではないかと思います。
次のような点は、あまり弁護士を選ぶ基準としては実際は役に立たないと思います。
【専門の弁護士かどうか】
弁護士の専門は何かとか、実績がどうかということが気になるかもしれません。
しかし、弁護士の”専門”や”実績”は、弁護士ではない方に判断は難しいと思いますし、弁護士でも自分あるいは他の弁護士の”専門”や”実績”を評価するのは容易ではないと思います。
弁護士でない方は、ご自身の仕事の分野をその分野の人でない人が専門や実績等を評価することは難しいということは想像できるのではないでしょうか。同様に、弁護士の専門の有無や程度は、弁護士でない人には分からないと思います。
また、弁護士は、弁護士会の広告の規制によって、”専門”の表示ができないことになっています。
そのため、弁護士のアピールとして、「●●に強い弁護士」「重点取扱分野」「注力しています」といった表現になっています。
医師の専門医は、学会による認定によるようですし、専門認定をする機構による認定の制度が始まるようです。
また、法令に基づく各種の指定医の制度もあります。
しかしながら、弁護士には、学会が認定する”専門”や認定機関によるものはありませんし、指定医のようなものはありません。
●●法学会に属しているというのは、基本的に入会にあたり知識や経験の審査があるわけではありませんから、興味関心の深さは示せても、専門や実績があるかは別問題です。
(ちなみに、私は、日本税法学会と租税訴訟学会に入っています。)
ネットやCMでは、何かの専門(債務整理や過払金の専門、離婚専門、交通事故専門、企業法務専門など)をうたう弁護士がいます。
同業から見ても、専門をうたってもおかしくない弁護士はいますが、専門を自称している弁護士が同業者の弁護士から見て、専門というに足りる仕事をしているかというと疑問なところも少なくありません。
理系の知識が必要になるような知的財産の案件や、外国語や外国法の知識が必要になる案件などは、そういった案件を扱える事務所に依頼すべきではあります。そういった案件が、普通の弁護士のところに相談で持ち込まれたら、まともな弁護士であれば依頼を断って、そのような事務所を探すように言うでしょう。
【経験豊富かどうか】
弁護士としての経験が豊富(経歴が長い)とか、特定の事案の経験があるかといった点も相談者としては気になるところかもしれません。
確かに、ベテラン弁護士だと、事案の解決への期待や依頼者の気持ちに寄り添ってくれるのではないかという期待が生じるのは分かります。
しかし、これもご自身のお仕事の分野に比べて考えていただければお分かりいただけるかと思いますが、
経年により仕事の経験はしていてもダメな人は必ずいるものです。長年の経験で手抜き仕事に長ける人や、勉強をしない人はどこの世界にもいるでしょう。
弁護士でも、ダメなベテランより、優秀な1年目の若手の方がきちんとした仕事をすることもあります。
弁護士歴数十年で、内容も日本語もひどい書面を出してくる弁護士など、ざらにいます。
ある事案の経験がなくても、法律の問題には基本的な思考が共通していますし、法令を調べ、書籍等に当たることで対応は可能ですから、研究を怠らない人であれば、怠惰なベテランより真面目な新人のほうがよほどマシです。
ですから、弁護士を選ぶにあたり、あまり経験とかベテランかということにはこだわらないでいいと思います。
【有名かどうか】
何をもって”有名”とするか分かりません。
テレビなどに出ていることと、弁護士の能力はたぶん関係ありません。
テレビによく出る弁護士は、演出として有能そうに見せられているのかもしれません。
メディアに出ているかどうかではなく、何かの分野で有名かどうかということで気になさるのかもしれません。
有名≒評判が良い
というニュアンスなのでしょうか。
そういった評判は、なかなか弁護士業界の外の方には分からないと思いますので、
有名かどうかというのも気にすることではないでしょう。
いくつか気にされそうな点を挙げました。
最初に述べたように、実際に相談してみて、相性の良いと感じる弁護士に依頼するのが良いと思います。
どういった弁護士が自分にとって相性の良い弁護士か分からなければ、3人くらいの弁護士に相談して、比較的良いと思った弁護士に継続して相談・依頼をすれば良いと思います。
一般論ですが、
・相談者の話を聞いてくれる(弁護士が話を決めつけない)
・専門用語をできるだけ使わずに分かりやすく説明してくれようとしている
・弁護士費用などお金のことを明確に説明してくれる
といった弁護士が後々の不満も少なく、信頼していけると思います。
私も こういった点は、少なくとも気を付けていきたいと思っています。
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遠方からのお問い合わせの結果、お近くの弁護士を探された方が良いのではというお答えになることがあります。
そういった場合、どのように弁護士を探したら良いか悩まれる方がいます。
弁護士を探す方法は、次のようなことが考えられます。
【誰かに教えてもらう】
特定の弁護士を知っている人に教えてもらう方法があります。
友人知人で弁護士に相談・依頼したことのある人がいれば、その人に教えてもらってり、
今では、FacebookなどのSNSで誰か弁護士を知っている人がいないかと情報提供を求めている人もいます。
狭い意味の「紹介」として、きちんと紹介者が弁護士に相談したい人がどういう人かを伝えてくれる場合があります。
そういう紹介をしないで、単に弁護士の名前を誰かに聞いてきたという意味で”紹介”という場合もあります。
この方法でいいのは、その弁護士の情報や感想が具体的に得られるかもしれないというところです。
ただ、都合良く弁護士を知っている人がいるとは限らないのが難点です。
【インターネットで検索する】
グーグルやヤフーなどの検索サイトで検索すれば、弁護士(法律事務所)のホームページやブログなどがヒットします。
[ ●●(地域名) 弁護士]と言葉を入れて検索すれば自分の近くの弁護士を探せます。
検索時に、自分の相談したい分野の言葉を入れれば、検索結果を絞ることができるでしょう。
この検索結果の上位に出る弁護士が、弁護士を探している人にとって合った弁護士かどうかは分かりません。
また、検索結果の上位に出るような対策(SEO対策)している事務所もありますから、検索結果と弁護士の実力等と関連性があるともいえません。
検索した結果に出てくるホームページやブログに書いてある情報が多すぎたりして、迷ってしまうかもしれません。
弁護士会の検索ページで探す方法もあります。
日本の全ての弁護士の登録情報は、日本弁護士連合会(日弁連)のホームページで検索することができます。
また、日弁連では、ひまわりサーチというサービスに登録している弁護士を地域や取扱分野で検索できるページを設けています。
ひまわりサーチでの私のページもあります。
日弁連の他に、各地の弁護士会のホームページでも所属会員を検索できるページを置いているところがあります。
弁護士は、日弁連に所属する他に、事務所の場所を管轄する各地の弁護士会(地方裁判所に対応)に必ず所属しています。
北海道には、札幌弁護士会、旭川弁護士会、函館弁護士会、釧路弁護士会の4つがあります。
弁護士は全国どこでも活動できるので、たとえば旭川に住む方が旭川で起きたトラブルの相談を札幌の弁護士に依頼するといったことも可能です。ただ、近くの弁護士の方が距離的に相談しやすいでしょう。
事業者のサービスとして、弁護士の情報提供しているところがあります。
充分な質・量を提供していると思われるのは、弁護士ドットコムがあります。
弁護士ドットコムでの私のページです。
検索結果を見て探すのは、やりやすいでしょう。ただ、検索で得た情報は、広告の側面もあるのは留意された方がいいと思います。
【広告】
テレビやラジオのCMや、雑誌等の広告に載っている情報で弁護士を探す人もいるでしょう。
広告でのアピールは、「広告だから」という側面もあると思います。
『●●の弁護士』のような書籍や雑誌の特集を見かけることがあるかもしれません。
先日、某出版社が●十万円でそのような書籍に載せませんかという営業をしていることが東京の某弁護士のツイッターで明らかにされてちょっとした話題になりました(税理士など他の専門職でも同じような企画があるようです。)。
出版社が情報をまとめた体で、実際は広告でしかない場合もありますので、そういった情報を鵜呑みにするのは気を付けた方がいいでしょう。
今はあまり需要がない電話帳(タウンページ)で、近くの地域の弁護士を探す方法もあります。
弁護士のページには広告も載っていますので、それを見て探す方法もあります。
【法律相談】
弁護士会での法律相談センターや市役所等の法律相談に申し込んでみれば、その予約時間に担当した弁護士に出会うことができます。
当然ですが、この方法だと、その法律相談センター等に入っている弁護士としか出会わないことになります。
【飛び込み】
裁判所の周りなどに法律事務所が集まっていますし、自宅や職場の周りの生活圏に法律事務所の看板を目にするかもしれません。
法律事務所に訪問して、弁護士に相談を求めるという方法もあり得ます。
しかし、大抵の弁護士は、アポ無しで飛び込みで来られる相談者を警戒しますし、突然来られても面談できるタイミングとは限りません。
飛び込みで訪れるのはお勧めできません。
目に付いた法律事務所で相談してみるのであれば、
事務所名などから連絡先を調べて、電話して相談の日時の予約を入れるべきでしょう。
弁護士を探すにも色々方法があり、一長一短がありますが、
弁護士を探す方は、ある程度の量の情報を得て検討されてはと思います。
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弁護士ドットコムニュースに取材協力した記事が公開されています。
【博多駅前陥没】玄関前崩壊のセブンイレブンやシステム障害の銀行、補償はどうなる?
この記事の中で、私は、注文者責任(民法716条)について説明しています。
この点について、国家賠償法1条が適用されるから民法716条の適用は誤りだという指摘があったそうです。
ご指摘の点については、私としては、
ただ、JVへの指図・注文が国賠法1条の「公権力の行使」
また、国賠法2条ではなく1条だという指摘もありました。
しかし、道路もしくは建設中の地下鉄設備の問題となれば、国賠法2条の営造物の設置管理の瑕疵の問題になると考えます。
上記の地下鉄工事の陥没が「公権力の行使」によるものだといえるだけの事実が出てくれば、国賠法1条の適用になってくるかもしれません。
今回の事故の原因がどういったことなのかは、いずれ明らかになるでしょう。
現時点の情報では、上記の記事のような整理となるかと考えています。
もし、私が今回のような事故で損害を生じた企業・個人の代理人となって、損害賠償請求するのであれば、そのときに判明あるいは推測される事実に基づいて、国賠法でも民法でも適用できるもので法律構成して、市にも施工したJV(共同企業体)にも両方にがっちり請求すると思います。
両方とも損害賠償の支払いを渋るようであれば、双方を被告として訴訟提起して責任の所在を明らかにするよりないでしょう。
国家賠償法
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個人でも法人でも、社会活動を営んでいる上で、行政機関(国や都道府県・市町村など)から行政処分を受けることがあります。
その処分に納得がいかない場合、審査請求などの不服申立てをすることができます。
行政機関の認定する事実が真実とは限りませんし、法令の解釈・適用が正しいとも限りませんから、納得できなければ国民の権利として不服申立てをすることは当然です。
しかし、不服申立てをするにはいつまで・どのように申立をすれば良いか、そもそも不服申立てができるのかどうか、一般には分かりづらいことがあります。
そのため、行政不服審査法82条で、行政機関は不服申立てができる旨と申立てる相手と申立ての期間を書面で、行政処分を受ける人にに教える(教示)義務があるとされています。
ただ、実際にこの教示の書いている行政処分の決定書などを見ると、教示の部分がやたら小さい文字(5ポイント程度の場合もあるのではないかと思います。)で書かれています。
それでは、不服申立てができることなどが書かれていても、読む気を無くさせたり、気付かせなかったりしてしまいます。
ちなみに、訪問販売等を規制する特定商取引法施行規則では契約書面を8ポイント以上の文字で作成すべきこととされています。
不服申立てができること自体が国民の権利ですし、不服申立てによって守られる権利・利益があるかもしれません。
そのような国民の権利・利益を守るためにも、不服申立てについての教示はもっと大きな文字で記載されるべきです。
気付きやすく分かりやすい教示を受けた上でこそ、国民の権利行使が可能になって、権利が保障されたといえると思います。
その上で、手続や主張すべき法律関係や事実について弁護士に相談して言うべき時に言うべきことを主張すべきです。
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(札幌弁護士会所属)
衆議院の解散の話題が出ているようです。
しかし、衆議院議員の小選挙区の区割は、憲法に違反したままです。
現在の衆議院議員のうち比例区選出以外は、憲法という国の基本ルールに違反した選挙で選出された者です。
そんな議員が最優先で取り組むべきであったのは、民主主義の国の基本として重大な選挙制度の改革でした。
そのような改革がいまだにできなかった現在の議員・政党は、国政を預かる能力・資質を欠くというべきでしょう。
また、憲法に違反する選挙で選出された議員が、TPPや憲法改正を論じるなど、国の将来を左右させるのは正統性を欠く不法な状況です。
民主主義の国家として最優先で手を付けるべき選挙制度を放置したまま解散するなど、無責任の極みです。
現在の衆議院議員の小選挙区の選挙(平成26年12月14日施行)については、昨年11月25日の最高裁判所大法廷判決で、いわゆる違憲状態の判決が出ています。
違憲状態判決というのは、
⑴選挙区割りは憲法違反
⑵でも、憲法違反を認識してから公職選挙法を改正するまで合理的期間はまだ過ぎていない
ので、まだ憲法違反ではないという判決です。
つまり、選挙区割り自体は、憲法に違反しているのです。
この最高裁判決では、
本件選挙区割りはなお憲法の投票価値の平等の要求に反する状態
であったとされています。
合理的期間については、
憲法の投票価値の平等の要求に反する状態に至っているとする当裁判所大法廷の判断が示されたのは,平成23年大法廷判決の言渡しがされた平成23年3月23日であり,国会においてこれらが上記の状態に至っていると認識し得たのはこの時点から
として、
平成23年大法廷判決の言渡しから本件選挙までの国会における是正の実現に向けた取組は,上記改正法の施行後に更なる法改正にまでは至らなかったものの,同判決及び平成25年大法廷判決の趣旨に沿った方向で進められていた
ということで、合理的期間はまだ過ぎていないとしています。
違憲状態判決というのは、司法権を担う裁判所として、政治部門に遠慮をしたインチキ判決だと思います。
普通の国民が何か法律に違反することをしても、その法律違反を解消するのに必要な時間が過ぎていないなどとして許されることはありません。
上記のとおり、違憲性の認識が平成23年3月23日としてその間に取組をしていたから許してしまうというのは、わが国の国権の最高機関である国会に課されるべき責任のハードルが低すぎでしょう。
国会議員に異様に甘い判決が違憲状態判決です。
(それでも今の国会議員は、甘やかされた違憲状態判決でも、早々の改善をしません。)
大法廷の判決は、結論が一致した「多数意見」の他に、多数意見に理由を付け加える「補足意見」、多数意見と結論が同じで理由の違う「意見」、多数意見に反対する「反対意見」が付くことがあります。
反対意見は、国会に大甘の多数意見よりはまともですので、紹介します。
大橋裁判官の反対意見は、国会の怠慢について厳しく指摘しています。
鬼丸裁判官は、実質的な一人一票の保障について明言しています。
木内裁判官は、選挙区の選挙人の人口が少ないところから選挙無効にするという国会にとってインパクトのある判決の方法を示しています。
【大橋正春裁判官の反対意見】
「本件選挙区割りによっても違憲状態が解消されたことにはならず,したがって憲法上要求される合理的期間内における是正がされなかったもので,本件選挙区割りは憲法の規定に違反すると考えるものであり,また本件では事情判決の法理を適用すべき事情はなく,本件選挙区割りに基づいてなされた本件選挙は本判決確定後6か月経過の後に無効とするのが相当であると考える。」
「国会は,遅くとも平成23年大法廷判決の言渡しによって旧選挙区割りが憲法の投票価値の平等の要求に反する状態に至っていると認識し得たのであり,合理的期間の始期は遅くても言渡しがされた平成23年3月23日ということになる。」
「平成23年大法廷判決が指摘した違憲状態は,現在でもいまだ解消されていないことになる。」
「平成23年3月23日から本件選挙施行日である平成26年12月14日まで3年8か月が経過しており,国会に認められた選挙制度の構築についての広範な裁量権や議員間で利害が激しく対立する選挙区割りの改正の困難性を考慮しても,3年8か月は国会が旧選挙区割りを憲法上の平等価値の原則に適合するものに改正するのには十分な期間である。したがって,本件では憲法上要求される合理的期間を徒過したものといわざるを得ない。」
「本件選挙後の国会における是正の実現に向けた取組については,現在まで具体的な成果を上げているものでなく,現在までに既に4年8か月も経過していることを考慮すれば,合理的な期間が経過しているとの上記の判断を左右するものではない。」
「平成23年大法廷判決から現在まで既に4年8か月が経過しているにもかかわらず国会による是正措置は実現されていないのであり,選挙人の基本的人権である選挙権の制約及びそれに伴って生じている民主的政治過程のゆがみは重大といわざるを得ず,また,立法府による憲法尊重擁護義務の不履行や違憲立法審査権の軽視も著しいものであることに鑑みれば,本件は事情判決により選挙の違法を宣言するのにとどめるべき事案とはいえない。
他方において,選挙無効の効力を直ちに生じさせることによる混乱を回避することは必要であり,本件選挙は本判決確定後6か月経過の後に無効とすることが相当である。
投票価値の較差の是正が困難であるのは,選挙制度構築の技術性や専門性に由来するものと利害関係の対立,特に直接の利害関係人である現職議員間の利害対立によるものとが考えられるが,国会はこれまで何度にもわたり衆議院議員総選挙の小選挙区選挙に関する定数是正を検討するための審議会等の組織を設置し検討を加えてきたのであるから,技術的・専門的な知識・経験を蓄積してきたものと考えられ,技術性・専門性が是正措置実現の大きな障害であるとは考え難く,主たる原因は現職議員間の利害対立にあるものと考えられる。しかしながら,本件は裁判所が違憲状態にあるとした本件選挙区割りの是正に関わるのであるから,憲法尊重義務を負う個々の議員だけでなく立法府として速やかにこれを是正する法的義務を負っているものといわなければならない。そもそも利害関係を調整して必要な決定を行うのが立法府の役割である以上,利害対立を理由に決定を避けることは許されない。」
【鬼丸かおる裁判官の反対意見】
「本件選挙時の選挙規定は憲法に違反するに至っており,本件選挙についてその違法を宣言することが相当であると考える。」
「衆議院議員の選挙における国民の投票価値につき,憲法は,できる限り1対1に近い平等を基本的に保障しているものと考える。
その理由は,両議院議員は,日本国憲法の前文,13条,14条1項,15条1項,44条ただし書に規定されているとおり社会的身分等により差別されることのない主権者たる国民から負託を受けて国政を行うものであり,正当な選挙により選出されることが憲法上要請されていると解されるところにある。特に衆議院議員を選出する権利は,選挙人が当該選挙施行時における国政に関する自己の意見を主張するほぼ唯一の機会であって,国民主権を実現するための国民の最も重要な権利であるが,投票価値に不平等が存在すると認識されるときは,選挙結果が国民の意見を適正に反映しているとの評価が困難になるのであって,衆議院議員が国民を代表して国政を行い,民主主義を実現するとはいい難くなるものである。以上の理由により,憲法は,衆議院議員選挙について,国民の投票価値をできる限り1対1に近い平等なものとすることを基本的に保障しているというべきである。
ところで憲法は,両議院議員の定数,選挙区や投票の方法等その他の両議院議員の選挙に関する事項を法律で定めると規定している(43条2項,44条,47条)のであるから,国会が上記事項を決定するに当たり立法裁量権を有することは予定されているところであるが,私は,国会が立法裁量権を行使して両議院議員選挙制度の内容を具体的に決定するに当たっては,憲法の保障する投票価値の平等を最大限尊重し,その較差の最小化を図ることが要請されていると考える。しかし,国会が配慮を尽くしても,人口異動による選挙人の基礎人口の変化や行政区画の変更といった社会的な事情及びその変動に伴ういわば技術的に不可避ともいうべき較差等が生ずることは避け難く,このような較差は許容せざるを得ないものである。したがって,投票価値の較差については,それが生ずる理由を明らかにした上で,当該理由を投票価値の平等と比較衡量してその適否を検証すべきものであると考える。」
「選挙区間の人口較差を2倍以内とすることに終始した本件選挙区割りは,憲法の要求する1人1票に近い投票価値の平等に反するものであるといわざるを得ない。」
「国会が平成23年3月23日に投票価値の平等に反する状態にあることを認識し得てから本件選挙までの間に,3年8か月が経過した。これは,衆議院議員の1期分の任期にほぼ等しい期間である。その一方で,同日以降に衆議院において少なからぬ法案が可決されてきた状況に照らすと,期間の長短のみならず是正のために採るべき措置の内容,そのために検討を要する事項,実際に必要となる手続や作業等の考慮事項を総合考慮しても,国会が司法の判断の趣旨を踏まえて適切に衆議院議員の定数配分や選挙区割りの是正に取り組んだならば,上記期間内に,憲法の投票価値の平等の要求するところに沿った定数配分や選挙区割りの是正を行うことは可能であったろうと考えるものである。
衆議院議員の定数配分や選挙区割りの見直しについては,種々の論議があることは容易に想定できることであり,また国会内の合意を得て見直しができるのであれば,それが最も望ましいことであることについては,私も何ら疑念を持つものではない。けれども,どのような法案であっても問題への対応や合意形成に困難がないということは少ないのであり,また全ての法案が国会の合意形成を得て成立するものではないことはいうまでもない。国会は,国民を代表する両議院の議員が論議を交わし一定期間論議した後に多数決の原理に従って議決し立法に至るという代表民主制を具現する場である。衆議院議員の定数配分の見直しや選挙区割りの改革等に関する事項に関しては国会の合意形成を要するとする憲法上の要求はないのであるから,他の立法と異なる取扱いをすることは相当ではないと考える。
一方,当裁判所の大法廷判決において既に2度にわたって,衆議院小選挙区選挙における投票価値の較差は憲法の要求に違反する状態であることを指摘され,これらの判決には国会が是正の責務を負う旨判示されていることに照らせば,是正は国会の急務であって,立法裁量権に配慮しても,合理的期間を緩やかに解することは許されるべきではないであろうと考える。
以上のことから,憲法の予定している立法権と司法権の関係を考慮してもなお,本件選挙時には既に憲法上要求される合理的期間を徒過したものというべきである。」
【木内道祥裁判官の反対意見】
「国会が憲法上要求される合理的期間内における是正がされたか否かの判定は,国会が立法府として合理的に行動することを前提として行われるべきであり,既に平成23年大法廷判決において,違憲状態の主要な原因である1人別枠方式の廃止と新基準による選挙区割規定の改正という,行うべき改正の方向が示されており,改正の内容についての裁量権はこの範囲に限定されている。司法権と立法権の関係に由来するとされる事項は,事情判決の法理を適用すべきか否かの段階で考慮すべきことであり,合理的期間内の是正の有無の判定について考慮すべきではない。また,定数配分の見直しにそれ以外の政策課題が併せて議論されているというような実際の政策問題も,合理的期間内の是正の有無の判定について考慮すべきではない」
「合理的期間の起算点が平成23年大法廷判決の言渡しがされた時点であり,本件選挙施行までの期間が3年9か月弱となる(この点は多数意見も同じである)ところ,平成23年大法廷判決,平成25年大法廷判決が憲法上の要求とした投票価値の平等の実現を阻害する1人別枠方式という要因の解消は,平成25年改正後の平成24年改正法による本件選挙区割りにおいても実現していない(このことは,既に,平成25年大法廷判決が示している)のであるから,本件選挙施行時点まで是正がなされなかったことが,合理的期間を徒過したものであることは明らかである。
したがって,本件区割規定は,違憲の瑕疵を帯びるものである。」
「投票価値の平等を害することを理由とする選挙無効請求訴訟についてなされた当審大法廷判決は,参議院議員通常選挙についての昭和39年2月5日のものを最初とし,18回なされている。この中で,いわゆる事情判決の法理が適用されたものは,昭和51年4月14日大法廷判決と昭和60年7月17日大法廷判決の2回であり,それ以外の大法廷判決の多数意見は,定数配分又は選挙区割り規定が違憲とされた場合の選挙の効力という問題については言及していない。しかし,①定数配分又は選挙区割りが違憲状態に至っているか否か,②その場合に,憲法上要求される合理的期間内における是正がなされなかったとして定数配分規定又は選挙区割規定が違憲となっているか否か,③その場合に,選挙を無効とすることなく違法を宣言するにとどめるか否かという3段階の判断枠組みが採られる中で,③の選挙を無効とするか否かは,この種の訴訟において,最も重みのある問題として意識され,その問題を念頭に,前段階の判断もなされてきたと思われる。」
「選挙区割規定が違憲であるにもかかわらず,選挙が繰り返し行われるような場合に,裁判所は違法を宣言するのみで選挙を無効としない判決をただ繰り返すに終始することはできない。また,是正をなすべき合理的期間の幅を広げることにも自ずと限界がある。「選挙を無効とする結果余儀なくされる不都合」(昭和60年7月17日大法廷判決)をできるだけ少ないものとし,選挙権の侵害を回復する方途を求める必要があるのである。」
「私は,平成25年大法廷判決の反対意見において「一般に,どの範囲で選挙を無効とするかは,前述のように,憲法によって司法権に委ねられた範囲内において裁判所が定めることができると考えられるのであるから,従来の判例に従って,区割規定が違憲とされるのは選挙区ごとではなく全体についてであると解しても,裁判所が選挙を無効とするか否かの判断をその侵害の程度やその回復の必要性等に応じた裁量的なものと捉えれば,訴訟の対象とされたすべての選挙区の選挙を無効とするのではなく,裁判所が選挙を無効とする選挙区をその中で投票価値平等の侵害のごく著しいものに限定し,衆議院としての機能が不全となる事態を回避することは可能であると解すべきである。」と述べた。
そして,平成26年11月26日大法廷判決の私の反対意見において「各選挙区における選挙人各人の投票価値平等の侵害の程度を考えると,選挙人としての権利の侵害の最も大きな選挙区は議員一人当たりの選挙人数の最も多い選挙区である。しかし,その選挙区の選挙を無効とした場合,投票価値の較差を是正する公職選挙法の改正が行われて再度の選挙が行われない限り,その選挙区の選挙人が選出する議員はゼロとなる。これでは,選挙を無効とすることが,当該選挙区の選挙人が被っている権利侵害を回復することにはならない。法改正により較差が是正されれば,選挙人の投票価値平等の侵害は解消されるのであるから,選挙を無効とする選挙区の選定に当たって考慮すべきは,法改正による較差の是正までの間の選挙人の権利侵害である。このような観点からすると,議員一人当たりの選挙人数が多いことによる選挙人の権利侵害は,その選挙人数の絶対数の問題ではなく,より選挙人数の少ない他の選挙区の選挙人との比較の問題であるから,議員一人当たりの選挙人数が最も多い選挙区の選挙人の権利侵害を著しくしているのは,議員一人当たりの選挙人数が少なくても議員を選出できる選挙区の存在であり,この選挙区の選挙を無効とすれば,残る議員についての投票価値の較差は縮小する。したがって,限定した範囲の選挙区の選挙を無効とすることによって選挙人としての権利の侵害を少なくするためには,議員一人当たりの選挙人数が少ない選挙区からその少ない順位に従って選挙を無効とする選挙区を選定すべきである。議員一人当たりの選挙人数の少ない選挙区の順に選挙無効とする場合,どの選挙区までを無効とするかは,憲法によって司法権に委ねられた範囲内において,この訴訟を認めた目的と必要に応じて,裁判所がこれを定めることができるものである(昭和60年7月17日大法廷判決の4名の裁判官の補足意見参照)。議員一人当たりの選挙人数が少ない選挙区からその少ない順位に従って裁判所が選挙を無効とする選挙区をどれだけ選定すべきかの規律は,選挙を無効とされない選挙区の間における投票価値の較差の程度を最も重要なメルクマールとすべきと思われるが,この規律は,いまだ熟しているということはできない。」と述べ,特定の選挙区の選挙のみを無効とすることは控えることとした。
平成26年11月26日大法廷判決は参議院議員通常選挙についてのものであるが,議員一人当たりの選挙人数が少ない選挙区からその少ない順位に従って選挙を無効とする選挙区を選定すべきであることは,衆議院議員小選挙区選挙についても同様に当てはまる。前回平成24年12月16日施行の衆議院議員選挙については,私は,区割規定を違憲とし,いわゆる事情判決の法理を適用して違法を宣言するにとどめたが,今回の衆議院議員総選挙は,従来の選挙区割りを基本的に維持して行われたものであり,その全てについて違法の宣言にとどめることはできない。
裁判所が選挙を無効とする選挙区をどれだけ選定すべきかの規律は,従来3段階の判断枠組みの第一段階である選挙区割りが憲法の投票価値の平等の要求に反する状態(違憲状態)に至っているか否かの判断基準とは性質が異なる。選挙区割りが違憲状態か否かの判断基準は,区割規定(定数配分規定)が「全体として違憲の瑕疵を帯びる」(昭和51年4月14日大法廷判決,同60年7月17日大法廷判決)か否かについてのものであり,その区割基準が投票価値の平等に反するものか否かが重要であり,一律に較差の一定数値によって定めることは,それに達しない不平等を無条件に是認することとなり,不適切である。これに対し,ここで問題となる無効とする選挙区の選定の規律は,違憲判断の及ぶ範囲を一定程度制限するという司法権に委ねられた権能の行使についてのものである。
具体的にどの範囲で選挙を無効とするかは,個々の選挙によって異なることは当然であるが,本件においては,本件選挙区割りによる295選挙区の選挙人数の違いが後述のとおりであることを考慮すると,衆議院としての機能が不全となる事態を回避することと投票価値平等の侵害の回復のバランスの観点から,投票価値の較差が2倍を超えるか否かによって決するのが相当である。
今回の選挙の結果によると,295の選挙区のうち最も選挙人数の少ないのは宮城県第5区(選挙当日で23万1081人),最も選挙人数の多いのは東京都第1区(選挙当日で49万2025人)であり,その比率は1対2.129である。選挙人数が東京都第1区の選挙人数の2分の1を下回る選挙区は,宮城県第5区以外に11あり,少ない順に挙げると福島県第4区,鳥取県第1区,鳥取県第2区,長崎県第3区,長崎県第4区,鹿児島県第5区,三重県第4区,青森県第3区,長野県第4区,栃木県第3区,香川県第3区である。
したがって,この12の選挙区については選挙無効とされるべきであり,その余の選挙区の選挙については,違法を宣言するにとどめ無効とはしないこととすべきである。この12選挙区について選挙が無効とされると,その選挙区から選挙人が選出し得る議員はゼロとなるが,これは,選挙を無効とする以上やむを得ないことであり,較差を是正する法改正による選挙が行われることにより回復されるべきものである。」
アイドルグループの欅坂46のライブの衣装がナチスの制服に似ているということで、アメリカのユダヤ系人権団体が謝罪を求め、レコード会社やプロデューサーが謝罪して、公開されていた画像を削除したというニュースがありました。
この件で、疑問なのは、大きく次の点です。
1 ナチスのに衣装が似ているというのは、具体的にどういう点なのか
2 ナチスのに似ているだけで、なぜ許されないのか
1の疑問について、ツイッターでつぶやいていたところ、どうやら帽子の標章が問題らしいという話があります。
ニュースで出ていた画像を見ても、どの辺がナチス”風”なのかよく分かりません。
ナチスの鉤十字(ハーケンクロイツ)なら、ナチスのマークかなと素人目にも分かるでしょう。
しかし、今回の件は、どういうところのデザインがどういう基準でナチスっぽいのかよく分かりません。
誰か(特に声の大きなところ)が●●●風と決めつけたら、客観的な議論を無視してそれが通るということにもなりかねません。
2の疑問については、ナチスの問題は、ホロコースト等の行為の問題なのかと思います。
とすれば、そういったナチスの行為を肯定、賛美するためにナチスのデザインを使ったというのであれば非難するというのも分かります。
しかし、そういう意図が読み取れるのではなく、単に衣装がナチスっぽいというだけで謝罪というのは主張に飛躍があるやに思えます。
また、ホロコーストの遺族・生存者が見たらナチスのことを思い出すといったことを言われているようですが、それが根拠なら、欅坂46がヨーロッパ進出した際にでも、現地で問題視するなり議論するなりすればいいことでしょう。
力のある団体の言うままに、客観的な分析や検証もないまま謝罪や非難がなされている社会状況がむしろ怖いです。
今年7月の参院選挙の選挙区選挙について、投票日の翌日に投票価値の不平等を主張した選挙無効訴訟を提訴しています。(7月12日のブログ)
広島高裁岡山支部の判決を皮切りに各地の高等裁判所・支部で判決が出始めました。
札幌高裁の判決は11月2日です。
投票価値の不平等による歪みの一つの例として、上記のブログ記事で次のことを指摘しました。
福井県選挙区の当選者の獲得票数は、217,304票でした。
北海道選挙区の次点(落選者)の獲得票数は、482,688票でした。その次の落選者は239,564票でした。
福井の1票に比べて最も投票価値の軽い埼玉県選挙区では、次点486,778票、その次228,472票でした。
投票した有権者数が少ない者が当選し、多い者が落選しています。
上記の指摘のように、他の選挙区についても見ると、
東京都選挙区(改選数6)の次点469,314票、次が310,133票、さらに次が257,036票でした。
沖縄県選挙区(改選数1)だと、次点は当時の沖縄北方相の現職大臣ですが、249,955票でした。
もちろん、選挙区ごとに改選数や立候補者数、有権者の投票率も異なりますので、当落ラインはそれぞれで異なるでしょうから、単純比較が直ちに正しいわけではないでしょう。
しかし、福井県の倍以上の支持を得た北海道の次点の候補者や東京都の候補者が落選している大きな原因は、
選挙区の投票価値の不平等が大きいでしょう。
このような当落の結果になるような投票価値の不平等のある現在の選挙区割り・選挙制度の具体的な合理性については、これまでの選挙無効訴訟の判決の理由でも被告(選挙管理委員会。実質的には国)の主張でも何ら示されていません。つまり、得票数の多い候補者が落ちて少ない候補者が当選している現状を正当化する具体的な説明は誰もしていないのです。
説明のつかない不合理な選挙区割り・選挙制度について、これから出される判決では選挙無効判決を下して断罪してもらいたいものです。
前回のブログで取り上げたニュースの事案は、自分が被告人の刑事裁判の証拠を自分のブログに掲載したというものでした。その掲載した者を逮捕したということです。
このような逮捕は問題だと思います。
そもそも逮捕というのは、人を罰するためのものではなく、罪を犯した疑いという逮捕の理由と、証拠隠滅や逃亡のおそれという逮捕の必要がある場合に許される手続です。
今回の件ですと、ブログで証拠資料の公開をしたという行為が刑事訴訟法違反の犯罪になるということですので、その行為を直接裏付ける証拠は警察において収集済みでしょうし、自分のブログで公開しているような者が逃亡するのかというのも疑問です。
逮捕やそれに続く勾留は、警察による処罰の先行だったり、供述調書という捜査側の作文に署名をさせるために利用されている感が強いです。
逮捕状を発付する裁判官が、身柄拘束というその人の生活・人生に重大な影響を及ぼす処分にもっと慎重に判断しなければならないでしょう。有罪の判決を受けていないのですから、有罪を推定して厳しい扱いをするような実情は不当だと思います。
【H28.3.1に札幌に移りました。】
〒060-0003 札幌市中央区北3西7 1-1 SAKURA-N3
北海道コンテンツ法律事務所
電話070-5530-0884
弁護士 林 朋寛
(札幌弁護士会所属)
http://www.sapporobengoshi.com
ブログ http://bit.ly/2eOFTn8
北海道警の札幌南署が、自分が被告人となっている刑事事件(暴行)の裁判での証拠書類をブログに掲載したことが刑事訴訟法違反(目的外使用の罪)にあたるとして、その被告人を逮捕したとのことです。
刑事裁判の手続を定めた法律である刑事訴訟法では、被告人や弁護人、これらの者であった者は、被告人となった裁判の準備等の目的以外に開示された証拠のコピーを他人に渡したり、ネットにアップしたりすることが禁じられており、違反すると1年以下の懲役または50万円以下の罰金の犯罪に該当します。(条文は長いので、下にあげておきます。)被告人・弁護人であった者も対象ですから、裁判が終わった後も禁止されていることになります。
この禁止の趣旨は、開示証拠がきちんと管理されてないと、証拠隠滅や関係者の名誉・プライバシーを侵害するおそれがあるし、そのおそれを考慮すると証拠開示が限定されてしまうというものとされています。
この禁止については、日弁連の会長声明で反対が表明されています。
私もこの刑訴法の禁止規定は反対で、すみやかな改正が望まれます。
今回のニュースとなったように、被告人にも言い分があり、その見解を表明するのは、表現の自由として保障されるべきです。
関係者の名誉毀損やプライバシー侵害については、開示証拠に限らず、刑事責任あるいは民事責任を問われることになりかねないものとされていますから、開示証拠に関して一般的抽象的に規制する合理性はないと思います。
被告人の表現の自由の他に、報道機関としては、取材活動の自由の制限も問題となります。刑事事件の証拠資料という取材の資料を得るのを制限されることになるからです。そして、取材活動が制約されることで、国民の知る権利も、反面として制約されると考えられます。
警察・検察の捜査や公判活動も裁判所の裁判も国家権力の作用の一つです。どのような証拠資料に基づいて裁判がなされているのかを証拠資料に基づいて批判・検証する機会が奪われていることになります。
もっともらしい禁止の理由(関係者のプライバシー保護など)を付けて、警察・検察あるいは裁判所に対する国民のチェックを免れるような規定は法改正で正されるべきです。
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弁護士ドットコムニュースで、国民年金保険料の強制徴収の対象が、2017年度から年間所得「350万円以上」から「300万円以上」に広がることになった件で、コメントした記事が公開されました。
年金保険料の強制徴収「年収300万以上」に範囲拡大へ…どんな場合に対象になる?
この記事の中では、
・年金が加入している者のための制度であるとすれば、国は、年金を支払うことのメリットをしっかりと証明すべき
・年金制度が破綻するとか、今のうちに支払った分の年金は将来もらえないとかの点の疑いを晴らすべき
・国民年金の積立金等を運用しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が、株価維持のために株式投資を増やしているとか、5兆円を超える運用損を出していると指摘された点について、問題ないことを明確にすべき
というコメントをしています。
国は説明・証明すべきだとは思いますが、たぶんできないのでしょう(できるのなら既にやっているはず。)。
無責任に他社のサイトで年金制度は破綻してますと断定したり、年金保険料の不払いを煽るわけにもいかないので、そこまでは言っていませんでした。
年金制度が現在の40歳代〜若い世代によって、長期的に経済的なメリットがない制度だとして、不払いしていいかというと、それも困難な途です。
年金保険料の不払いをして滞納処分(財産の差押え)を食らい、敗訴覚悟で裁判で争うというのも、自分ではまだ採れる方法ではないですし、他人にも弁護士としてはオススメし難いものです。
もし、弁護士費用倒れになってもいいから年金制度の破綻・不合理を司法の場でも明らかにしたいという方がいれば、その際もよくよく打ち合わせをしないといけないでしょう。
将来の自分の生活について年金の強制加入で介入されるのはそもそも幸福追求権(憲法13条)の侵害だとか、
高齢者の生活を支えるだけのような不合理な年金制度は思想良心の自由(憲法19条)の侵害とか、厚生年金と国民年金の制度は不合理な差別(憲法14条)だとか、財産を不合理に奪われて財産権(憲法29条)の侵害だとか、の憲法上の主張も考えられます。しかし、年金制度が破綻・不合理で憲法違反だということのできる裁判官がいるとはまだ期待できないでしょう。
結局のところ、国の制度、政府・政治には期待できないので、
自分の将来の経済的なことは自分で固めておかないといけない状況なんだと思います。
言うは易いのですが、実行できているかというと全くおぼつかないのが問題です…。
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官房長官が、「解散は首相の専権事項だ。首相自身が一番タイミングがいい時に考える。」と発言したそうです。
この発言内容は、大きな誤りが二つあります。
まず、衆議院の解散権があるとすれば、首相(内閣総理大臣)にあるのではなく、内閣にあります。
衆議院の解散は、憲法上で明文で定められているのは、内閣不信任案が可決された場合です。
内閣不信任案が可決された場合ではないのに衆議院の解散を認めるのは、内閣の助言と承認に実質的な決定権を認めて、現在では内閣に実質的な解散権が慣行上認められているからです。
そして、その解散権は、内閣総理大臣ではなくて「助言と承認」を行う内閣に認められる権能です。
内閣は、行政権を持つ合議制の機関です。
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今年のミス・ワールドの日本代表は、日印のハーフで、象に乗る資格「象使い」の免許があるとのニュースがありました。
そのニュースをリンクしてTwitterに載せたところ、
という旨の指摘を頂きました。
道路交通法2条1項11号
軽車両 自転車、荷車その他人若しくは動物の力により、又は他の車両に牽引され、かつ、レールによらないで運転する車(そり及び牛馬を含む。)であつて、身体障害者用の車いす、歩行補助車等及び小児用の車以外のものをいう。
問題は、上記の道交法の「軽車両」のうちのその他人若しくは動物の力により、又は他の車両に牽引され、かつ、レールによらないで運転する車(そり及び牛馬を含む。)の「牛馬」に「象」が含まれるのかどうかが問題になります。
我が国で、象に乗ることに関して道交法の「軽車両」に象が該当するかどうか争われた事案があるかどうかについては、浅学ながら聞いたことがありません。事務所で導入している判例検索システムでも関連しそうな裁判例は見つかりませんでした。
そもそも、我が国の道路を象が歩いているのを見たことも聞いたこともありません。
条文の文言に忠実に解釈すれば、「牛馬」とある以上、牛でも馬でもない象は該当しないことになりそうです。
しかし、法律は、必ず文言に限定して解釈しなければならないものではありません。
「牛馬」とあるから、たとえばロバは該当しないのかというと、「牛馬」に含まれそうですし、鳥取県の砂丘の近くの道路にはラクダも歩いていそうですが(偏見に基づく想像です。)、ラクダも「牛馬」に含まれる軽車両の一つとなりそうです。
ですから、ここでいう「牛馬」というのは道路を通行する動物の例示なのかと考えられます。
道交法は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図り、及び道路の交通に起因する障害の防止に資することを目的とする法律ですので、道路を通行する動物については「軽車両」に含めて規制しようとしていると思われます。
そうなると、我が国の道路を通行しようという「象」も「軽車両」として道交法のルールに従って通行すべきでしょうから、軽車両の「牛馬」には「象」を含むと解釈すべきであるように思えます。
かなり雑で簡略に検討してみましたが、現実に象が我が国を歩くことはあまりない(笑)かと思いますので、そんなに悩むことではないかと思います。
(江戸時代に将軍吉宗の命で長崎から江戸まで象が来たそうですので、平成の世にも象が歩かないとは限らないですが。)
もし、「象」が「軽車両」にあたるかどうか争っているとか、公道で象を歩かせたいのに行政指導に問題があるなどのご相談・ご依頼があれば、しっかりと調査検討の上で対応いたしますので、その際はお申し込みいただければ幸いです。
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8月12日の早朝に羽田空港のANAの国内線で、乗客から預かった荷物を搭載しないで出発するトラブルがありました。(ニュース記事)
原因はベルトコンベアの故障だったようです。
出発しないで飛行機を待機させることや後続便への影響を避けるために、荷物を全部あるいは一部を載せずに乗客だけ乗せて運んだそうです。
運航約款には反していないそうですが、問題は、出発前に乗客に知らせずに、到着後に荷物が搭載されていないことを乗客に知らせた点です。
出発前に知らせると、降りたいという客がいて混乱するという判断だったそうです。
シビアな状況での瞬間的な現場の判断を後から批評するのはたやすいので、安易な批判は慎重になるべきです。
しかし、搭乗してしまって降りるには困難な段階であっても、トラブルの情報は早めに報告するのが乗客への誠意ある対応であったかと思いますし、トラブルを知らされた乗客の感情も目的地に降りてから知らされるのとは違っていたのではないかと思います。荷物が搭載されずに遅れてしまうとしても、目的地に着いてしまってどうしようもない状況に置かれてから報告されるのでは、信頼を裏切られた気持ちが非常に強くなったのではないかと想像します。
悪いニュースは早めに知らせるのがトラブルや悪感情を小さくする基本だと考えます。
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FacebookなどのSNSでトラブルに巻き込まれたなどという投稿をお見かけすることがあります。
その中で、”簡易裁判”がいいのかなどといったことをいう方がいます。
しかしながら、「簡易裁判所」はあっても、「簡易裁判」というものがあるわけではないです。なんとなく簡単に終わる裁判というイメージを持っているのかもしれません。
通常の民事訴訟についていえば、簡易裁判所は、目的物が140万円以下の訴訟を扱います。140万円を超えるものは地方裁判所の管轄です。
また、簡易裁判所の民事訴訟のうちで、60万円以下の金銭請求の訴訟について「少額訴訟」を選択して提訴することができます。すぐに取り調べのできる証拠書類や証人のいる事案で、原則1回の期日で終わる手続です。裁判官の判断や相手方の異議によって通常訴訟になる場合があります。
過失割合や損害額などで争いがありそうな損害賠償請求の事案では少額訴訟は向かないと思います。
どういった手続が取れるのかなどは、弁護士に直接相談するのがいいと思います。
SNSだと知ったかぶりして適当なアドバイスをする人や、弁護士は高いなどと言って早期の相談をためらわせる人、ひどいのになると違法な方法での対応を示唆する人などがいます。
ほんとうに解決策を探しているのであれば、SNSで投稿などせずに、近くの弁護士(法律事務所)や弁護士会の法律相談センターを検索して相談の予約を入れるべきです。
参議院選挙の投票前にはあまり争点にされなかった憲法改正の動きが進むかもしれない状況です。
自民党の憲法改正草案について解説した本はいろいろ出ていますが、自民党の憲法改正草案を爆発的にひろめる有志連合(自爆連)の『あたらしい憲法草案のはなし』は、日本国憲法公布の翌年に文部省が製作・配布した『あたらしい憲法のはなし』の秀逸なパロディーです。
この『あたらしい憲法草案のはなし』は、自民党の憲法草案が、立憲主義(憲法により国家権力を制限して個人の自由・権利を保障しようという考え)を否定しようという意図が透けて、おかしさとともに恐ろしさを感じる名著だと思います。
立憲主義や個人の自由・権利を憎んで、それらを否定する国にするのは国民の自由かもしれませんが、そのような国は、近隣にある一党独裁の国や祖父の代からの独裁をしている国みたいな国です。わが国が近隣にあるような独裁国家になってから後悔しても後の祭りでしょう。
『あたらしい憲法草案のはなし』を憲法の仕組みについてあまり知らずに読むと、皮肉をそのまま受け取ってしまうおそれがあります。
憲法の仕組みについて、とても分かりやすく説明しているのが、内山奈月・南野森『憲法主義』です。ソフトカバー本が文庫本化していますし、読みやすいので、憲法改正の前に、多くの主権者国民に読んでもらいたい本です。『憲法主義』は、『あたらしい憲法草案のはなし』の前に読んでおくべき本だと思います。
ネットのニュースで
能年玲奈 岩手県庁を訪問、改名後初仕事か 達増知事「お帰り」と大歓迎
というのがありました。
本名が能年玲奈さんが芸名を変えて「のん」さんとして活動せざるを得ないような状況については、色々と批判も聞くところです。能年玲奈さんが所属していた(あるいは所属している)芸能事務所とどのような契約あるいは交渉がもたれているのか・いないのかについては部外者には分からないことが多いです。しかし、本名で活動ができないというのは一般常識でも法的な観点でもおかしいと思うのが自然でしょう。
能年さんが今後どのようにご活躍されるのか注目していきたいです。このニュースのように地方での活動も良い道かと思います。北海道でも活躍の場があればいいと思います。
ところで、日本弁護士連合会(日弁連)のポスターは、今年は武井咲さんと起用しているのですが、1年契約のようです。
来年は、能年さんが起用されてもいいのではないかと思います。
日本の芸能界は、まだ契約がきちんと締結されていなかったり、契約書が作成されていなかったり、作成されていても問題のあるものだったりするようです。
一般論として、所属の芸能人が売れるまでにコストが掛かるので、売れてから容易に独立等されるのは困るといった芸能事務所の側の言い分も分かります。
ただ、一の大きな産業分野でもある芸能界がある種の”無法状態”では、人権の面でも経済的な発展の点でも問題だと思います。
我が国の芸能界・エンターテインメントの世界にも、法的にバランスの取れた実務が広がるべきだと思います。
〒060-0003 札幌市中央区北3西7 1-1 SAKURA-N3
北海道コンテンツ法律事務所
電話070-5530-0884
弁護士 林 朋寛
(札幌弁護士会所属)
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取材協力した記事が公開されました。
中森明菜さん「隠し撮り写真」掲載の出版社敗訴、芸能人プライバシー侵害の基準は?
この記事の最後のところで、
「もし仮に、他人のプライバシー権を侵害した賠償責任を上回る利益が見込まれるのであれば、報道機関の中に違法と認識しつつも、撮影・掲載を強行するところもあるでしょう。
強行されるのは、侵害者の見込み利益を下回る金額でしか慰謝料が算定されないからです。そのような裁判所の算定が、そもそもおかしいのではないか」
と述べています。
これは、損害賠償責任を負っても雑誌が売れて儲かるのであれば民事的に違法な行為を出版社側は強行するおそれがあるということです。
週刊誌1冊ごとに単純な計算は正確ではないでしょうが、説明のために言うと、
違法な行為でネタを集めて書いた記事を載せた週刊誌が通常よりも売れて、週刊誌の販売の売上や広告費などで通常より1000万円の利益が出るのであれば、
その違法行為で550万円の損害賠償責任を負っても、
結果として差し引きプラスの儲け(450万円)が出るなら、
違法行為を民事責任として(つまり経済的に)抑制することは難しいということです。
日本の現在の不法行為責任の裁判所の考えでは制裁的損害賠償は認められていないですし、精神的苦痛の慰謝料請求の評価も抑制的です。
制裁的損害賠償(実際の損害額の賠償責任に限らず、制裁として損害賠償の数倍の賠償責任を認めるというようなもの)は難しいとしても、
慰謝料の評価としては被害者にとって納得でき、以後の類似の違法な行為を抑制できる金額を認めるのはおかしくないでしょう。
慰謝料というのは、被害者の被った精神的苦痛を慰謝する(なぐさめる)に足りる金銭ということですから、加害者に儲けが残るような金額で慰謝料として相当な金額だと評価するのは少ないと思うのです。
弁護士としては依頼者への負担(印紙代や弁護士費用)を考えて、裁判所の相場を勘案して慰謝料請求の金額を控えめに評価しがちかもしれません。
しかし、そういう実務感覚が一般の感覚(常識)に合うかどうかを常に留意して損害賠償事案を扱っていきたいと思います。
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『日本国憲法 9条に込められた魂』(鉄筆文庫・2016年)540円
この文庫は、我が国の憲法全文を載せて、付録として次の資料を掲載しています。
付録1 年表
付録2 ポツダム宣言
付録3 非核三原則
付録4 武器輸出三原則等
付録5 幣原先生から聴取した戦争放棄条項等の生まれた事情について
付録となっていますけど、この本のメインは、
付録5 幣原先生から聴取した戦争放棄条項等の生まれた事情について
でしょう。
この幣原先生というのは、幣原喜重郎のことで、敗戦後の昭和20年10月6日に昭和天皇の命で首相に就いて、現憲法の制定に携わった人物です。
幣原から昭和26年に聞き取りしたメモに基づきまとめられ、昭和39年に公開されたものです。
これを読むと、”押し付け憲法論”が実に浅薄な主張であると感じざるをえません。
戦争放棄条項については、幣原ひとりの結果ではないでしょうが、歴史(過去)と未来を見据えつつ、現在(当時)の情勢をリアルに分析して、高い理想のもとで戦争放棄条項がまとめられたことが分かります。戦争放棄条項のある意味裏返しとして天皇制が守られて我が国の連続性が保たれたのでしょう。
こんにち、憲法改正をウンヌンする前に読まれるべき資料だと思います(短いのですぐ読めます。)。
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日本テレビ(北海道だとSTV)の行列ができる法律相談所に出演している大渕愛子弁護士が、所属の東京弁護士会から業務停止1月の懲戒処分を受けたとのニュースがありました。
大渕弁護士は、処分後に会見を開いています。
会見を開いて説明しようとしたところ、逃げなかったところについては、ある意味ご立派だと思います。
危機管理としても、逃げてしまうより会見をやった方がその後のバッシングも小さくなると判断したのだと思います。
大渕弁護士の問題については、「大渕弁護士の言い分の謎と、弁護士に望むこと、私たちはどうすればいいのかについて。」(千田有紀)という論評がまとめてくれています。
今回の大渕弁護士の懲戒対象となった行為について報道を見る限り正当な弁解はできなさそうですし、弁護士としてはかなり重い処分である業務停止になったことの軽重については報道では論評し難いです。
大渕弁護士のことは置くとして、上記論評にもリンク先がありますが、大渕弁護士を使い続けてきた日本テレビをはじめ他のテレビ局の社会的な責任はどうなのかというのがもっと問われていいと思います。
大渕弁護士の懲戒について日本テレビ等はどういうコメントをしているのか寡聞にして分かりません。
弁護士会が懲戒する場合は、懲戒処分を決める懲戒委員会の前に、懲戒委員会に審査するのが相当かどうかを綱紀委員会が調査します。綱紀委員会が懲戒委員会に審査を求めた後もテレビ出演させていたテレビ局の判断はどういう理由からだったのでしょうか。追及されるべきところだと思います。
[大渕愛子弁護士のオオブチは大淵ではなく大渕でしたので修正しました。]
ところで、私は、日本司法支援センター(自称法テラス)を全く支持も信用もしていませんので、発足した平成18年から一度も同センターと契約をしたことがありません。
民事扶助にしろ刑事事件の国選弁護にしろ、同センターの手続や低額な報酬額などについての同業者の不満はしばしば目にします。
同センターと契約している弁護士の不満は、もともと自分で契約している弁護士のまずは問題でしょう。
しかし、利用者に対しても同センターの対応に問題がないかという点は気に掛かります。
当事務所では、自称法テラスやその関係の弁護士・司法書士についての問題についてご相談をお受けします(当事務所の無料相談の対象でなければ有料相談となります。)。
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それぞれ俳優の妻夫木聡さんとマイコさんが結婚されたニュースがありました。
妻夫木さんってまだ独身だったんですね。
妻のマイコさんで思い出したのが、出演されていた映画『カフーを待ちわびて』です。
私が沖縄で開く事務所の名称をカフー法律事務所としたので、レンタルして観たんですが、ほっこりする作品だった印象です。ちなみにカフーとは、漢字で「果報」で、カフーと沖縄読みしているものです。
久々にまた観たく思いました。
原作の小説も味わい良かったと思います。原作は確か、ラストは読者の想像任せだった記憶です。
観たことない方は、原作→映画の方がいいかもしれません。
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JRタワーの札幌シネマフロンティアでシン・ゴジラを観てきました。
巨大不明生物の襲来にも憲法下の法制による柔軟な対応で対処できていましたので、憲法改正・緊急事態条項は不要だと感じました(笑)。
それはさておき、ゴジラやゴジラに対する戦いの迫力を堪能するには大きなスクリーンで観るべきでしょう。
私は2時間前後も同じ椅子に座ったままでいたくないので、時々しか映画館に行かないのですが、今回のシン・ゴジラは公開後にツイッターの反応がすごいので早速行ってきました。
今のところ動員1位のようですが、札幌の映画館はそれほど混んでいませんでした。
怪獣のゴジラは出ますし、特撮映画として楽しめます。ただ、政治劇でもあり、細部までリアルな官僚機構や自衛隊の対応など、現実的な部分も見所満載です。
甚大な被害を被った日本の復興についても強いメッセージを感じる映画でもあります。
ネットなどでネタバレの情報に接する前に観に行かれるべき映画です。
私はエヴァンゲリオンが大ブームの時に大学生だった世代なので、さすが庵野監督作品と感じ入りました。
先日(7月24日)、東京都美術館で開催された美術評論家連盟主催のシンポジウム「美術と表現の自由」を聞いてきました。(ちょうど上京しているタイミングだったのと、東京都美術館で開催中の ポンピドゥー・センター傑作展ーピカソ、マティス、デュシャンからクリストまでー を観たかったところでした。)
シンポについては、トゥギャッターでまとめがありますし、後日、文字起こしが公開されるそうです。
職業柄、表現の自由(憲法21条)などについて論じるのを聞くのは弁護士や学者からのことが多く、法律家ではない立場の方の報告や見解をうかがうのはとても新鮮でした。
それと同時に、うるさい法律家ではない分野の方から「表現の自由」を取り上げなければならないほどの危機感がある現在の日本の状況に改めて慄然としました。
自由を守るには、今回のシンポのように、自由を制限しようという制度や対応や空気に対して抗う声をあげるといった不断の努力が必要だと感じましたし、自由や憲法は法律家のオモチャではないことも実感しました。
文字起こしが公開されれば多くの人(法律家や美術関係者でない方)に見ていただきたい企画でした。
ただ、過去の出来事についての報告は大変興味深かったのですが、もっと現在の状況についても報告・意見をいただきたいところでした。同連盟の今後の企画も期待しています。
私はもともと”宵っ張りの朝寝坊”で、朝が苦手の夜型人間でした。
先月、本屋でふと手に取った小山薫堂『明日は心でできている』の109頁「日常の中で誰でもできる10の冒険」の中で 夜8時に寝て、朝3時に起きてみる というのが載っていました。
これを見て、その日に8時に寝て3時に起きてみました。
すると翌日がかなり長く密度の濃い日のように感じられました。
さすがに毎日夜8時に寝るのは、社会人では難しいでしょうし、3時に起きるのもキツいです。
それでも夜は10時前後に寝て、朝4時5時ころに起きるように朝型に変わりました。
人間変われば変われるものです。
今では、朝に開催しているイベントを探したりとか、朝のスタバに行ったりしています。先々月までは考えられない生活リズムになりました。
それゆえ、当事務所では早朝相談(朝7時ころから)が可能になっています。
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前職の知事の辞職により、この7月31日(日)に東京都知事選挙の投開票が行われます。
立候補者は、これまで最多の21人だそうです。
しかし、テレビ局や新聞社は、勝手に主要3候補と決めつけて、その3候補に関する報道ばかりをしているようです。NHKより民放の報道の方が偏っているようで、報道時間でいうとその3候補に97%、その他の候補(18人)には3%しか使っていないという分析もあるようです。
今回の都知事選について、マイベストプロ北海道でコラム【都知事選が面白そう】を投稿しました。
このコラムで言いたかったのは、全国民の知る権利を軽んじているということです。
都民の知る権利ではなく、全国民の知る権利ということです。
地方自治は、その地域に限られずに他の地域・全国に波及します。
我が国の首都・東京の知事を決める選挙は、誰が当選するかということもその公約や政策論争も、今後の我が国・他の地域に影響します。その選挙について、非常に偏った報道がなされるというのは、日本の全国民の知る権利(憲法21条)を報道機関が無視軽視しているといえると思います。
新聞社がそのような偏った報道をしているのであれば、今後二度と、公平中立な報道をしているとか社会の木鐸などと偉そうに言わないようにしていただきたいものです。
また、テレビ局は、公共の資源である電波を使用している以上、より公共性が求められるべき報道機関です。テレビ局が選挙民である東京都民に偏った判断材料しか提供せず、日本国民に充分な質・量の報道をしないのであれば、免許を返上してネット放送にでも事業変更してもらいたいと思います。(なお、ネットニュースでも偏向が言われている件があります。)
報道機関には、表現の自由(憲法21条)がありますので、何を報道し何を報道しないか、どのように報道するのかを自由に決めて良いことは良いのです。しかし、特に、政治的な報道については、国民の側で選挙権などの適切な政治行動が取れる前提となる知る権利(情報を受領する権利)の裏返しとして、報道機関の表現の自由が保障されるものと考えられます。
一般国民のために国家・社会があって国民の自由を保障しているのであって、国民あるいは社会のごく一部である報道機関のために国家・社会があり報道機関の自由を保障しているわけではないからです。
今さらテレビ局や新聞社に何か期待するというわけではありませんが、一部の心あるマスコミ関係者に改めてもらってまずは残りの選挙期間の報道に改善が見られることを希望しています。
前回ブログの続きです。
Q&Aサイトで質問をする場合、質問者の側で問題解決に繋がらないのではと思われる次のようなポイントがあります。
・質問者に不利益なことは意識的あるいは無意識に質問内容に書かない可能性がある。
・質問者が事実をきちんと整理して書くことができていない。
・質問者が思い込みで事実や資料と違うことを”事実”として書いてしまっている。
・質問が長すぎて、回答する側に読んでもらえない。
・不要な事実が多すぎて、回答する側に読んでもらえない。
・質問が抽象的すぎて回答が難しい。
・質問事項が複数で回答する側の負担が大きくて、任意で回答する側としては回答しないでスルーしがち。
と、ざっとあげると以上のようになります。
私が、Q&Aで質問を見ると、回答を待っているような状況ではなく早く近くの弁護士を探して実際に相談・依頼すべきものもあります。
法律相談は、手元にある資料を見ながら、相談者からのお話をうかがいつつ、質問して事案や問題点を整理しながら、今すべき対応などを探っていく作業です。
一方通行になりがち(できても数回のやり取り)でしかないQ&Aサイトでは、事案の整理や問題点の探求に限界があります。
お近くに相談できる弁護士がいないという方は今はかなり少なくなってきていると思いますので、遠慮せずに弁護士の法律相談を申し込むのが悩みの解決にとって早いし確実だと思います。
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弁護士 林 朋寛
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質問を投稿して誰かが回答するQ&Aのサイトがあります。
そういったサイトで法的な問題についての質問・回答を見ていて思うことがあります。
(1) 回答者が主に匿名のサイト
回答者が専門家ではない(専門家とは限らない)ので、その回答の正確性には何の保証も無いので、その回答を信用してしまうと危険なことがあります。
そういうサイトだと、知ったかぶりで回答することで自己顕示欲などを満たしているに過ぎないような回答が散見されます。
それに、そういった無料利用のサイトで専門家がわざわざ回答してくれることも期待できません(法律問題ではありませんが、名だたる専門家が複数回答してくれたというのでニュースになった件がありました。まれなケースだと思います。)。
(2) 回答者が誰か明らかなサイト
少なくとも裁判関係で、弁護士ではない人(それらしい民間資格とかNPOとか、裁判を扱う権限のない●●●士とか)の回答は弁護士から見て誤っていることがあるのであまりアテにしない方がいいでしょう。
弁護士が回答してくれるサイトもあります(私もそういうサイトで回答することもあります。)。問題は、広告目的で適当な回答を数多く投稿する弁護士アカウントも見られることです。回答者は弁護士でも”中の人”はその弁護士本人なのか疑わしい回答も見かけます。
弁護士が回答していることになっていても、間違った回答がされている場合もあります。
無料(あるいは低額)で気軽に利用できるメリットもありますが、無料・気軽な情報は特に玉石混淆であるデメリットもあります。
質問者側の問題については、続いて書きます。
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先日の北海道新聞の はいはい道新 で、札幌の弁護士で電動車椅子を使っている方の記事が載っていました(実家の母の切り抜きを見たので日にちは不明。)。
車椅子で道路を渡るときにひっくり返り、通りがかりの多数の人に助けられたという話でした。
私は、その弁護士をまだ存じ上げません。
いつから車椅子を使っているのか存じ上げませんが、雪道になったらより大変な移動になるのでしょうね。
ふと思い出したのが、福岡の弁護士で作家の法坂一広先生がブログでお怒りになっていたことです。
ご病気で車椅子を使うようになっているようで、弁護士会や会館へのご指摘でした。(変換ミスなのかどこの弁護士会館の問題かはよく分かりません。)
私自身は車椅子を使ったことがないので想像でしかないのですが、札幌弁護士会の会館も、あまり車椅子の方に便利そうには感じません。
法坂先生のブログで指摘されている「障害者の権利に関する委員会なんかもあるはずなのに、身内のことさえ考えられないなんて、結局偽善じゃないのか。」ということが、札幌弁護士会でも言えるかどうか気になるところです。
などと言ったものの、当事務所の入っているところは2階に階段を登っていただかないとならないので、全くバリアフリーではなくて申し訳ないです。
一昨日(7月10日)に実施された参議院議員選挙について、昨日、選挙無効訴訟を札幌高等裁判所に提起いたしました。
選挙無効訴訟の形式上、北海道選挙区の選挙の無効を求めています。
私の参画している弁護士グループでは、全45選挙区について8つの高裁(本庁)と6つの高裁支部の計14の裁判所に選挙無効訴訟を提起しています。
私は、沖縄にいた平成21年(2009年)8月の衆議院議員総選挙の無効訴訟のときから参加しています。
この選挙無効訴訟は、党派制のあるものではありません(そもそも2009年の選挙は民主党が勝って政権交代がなされた選挙です。どこが勝とうが負けようが、投票価値不平等の選挙はおかしいのです。)。
選挙無効を求める理由は、選挙区ごとの一票の価値が不平等であるということです。
今回の参議院議員選挙で議員1人あたりで最も選挙人数(有権者数)が少なかったのは福井県選挙区です。
提訴では昨年9月2日時点の有権者数を基に計算して、福井の1票に対し北海道0.43票と表現しています。
これは、次のように計算します。
福井の有権者数 644,447人、議員定数2(半数改選)
北海道の有権者数4,537,448人、議員定数6(半数改選)
議員一人当たりの有権者数
福井322,224 北海道756,241(4,537,448÷6)
選挙区の有権者数の格差(較差)
福井1に対して北海道2.347 (756,241÷322,224)
投票価値
福井の有権者の1票に対して北海道の有権者の1票の価値は0.43票(322,224÷756,241)
こういった投票価値の不平等が放置されたままで選挙が行われると、
選挙区選出の議員の過半数を、
過半数に満たない国民の中から選出することになり、
全国民の代表として議員が行動する国会での議決が国民多数の意思あるいは支持、信任によるものといえるだけの
正統性を欠くことになるからです。
別の観点でいうと、国民の多数の中から選出された議員が議会の多数派にならない選挙は
間接的に民意を反映する議会を構成させる正当な選挙とは思われないからです。
現在の投票価値の不平等の歪みは、次のような結果にも表れます。
福井県選挙区の当選者の獲得票数は、217,304票でした。
北海道選挙区の次点(落選者)の獲得票数は、482,688票でした。その次の落選者は239,564票でした。
福井の1票に比べて最も投票価値の軽い埼玉県選挙区では、次点486,778票、その次228,472票でした。
投票した有権者数が少ない者が当選し、多い者が落選しています。
もちろん、選挙区から1人を選ぶ小選挙区制と複数人を選ぶ大選挙区制の違いや、選挙区ごとの立候補者の数や投票率の違いがあります。しかしこのような差が生じているのはあまりに不平等です。
参議院議員も衆議院議員も「全国民の代表」であって、都道府県の代表ではありません。
我が国は、都道府県の連邦ではありませんから、都道府県代表を選出する歴史的な根拠も無いです。
あたかも都道府県の代表のように利益誘導を叫ぶ政治家(及びその政治家を議員にしてきた国民)が我が国を蝕んできたのだと思います。
これまでの最高裁判例でも指摘されていますが、都道府県の区割にこだわっていては投票価値が平等の選挙区割りや選挙制度はできません。平成24年の公職選挙法改正のときに附則で平成28年の参議院選挙までに抜本的改正をすると決めたはずでしたが、まったく抜本的改正がなされませんでした。
本当に選挙無効になったら国会がストップするのではないかと心配されるかもしれません。
今回の選挙が無効となっても、参議院議員は比例代表で選出された議員と非改選の議員がいますから、その議員で構成する参議院と、衆議院で本当に抜本的な選挙区割りを最優先で早急に決めればいいのです。(暫定的にでも全国単一区での選出で再選挙でいいと私は思います。)
今後、憲法改正を議論するのであれば、
現行憲法を遵守できるだけの倫理観と品位と知性のある者が議員であると同時に
選出される選挙に問題のない議員によってなされるべきです。
(衆議院も参議院もその選挙区選挙の区割そのものは憲法違反とこれまでの訴訟で判断されています。)
少なくともまともな選挙制度での選挙が実施されるように、この訴訟を続けていきたいと思います。
初回の口頭弁論期日は8月下旬か9月初めになると思います。初回期日で結審して、10月に判決が出ると思います。
今後の報道等にご留意いただければ幸いです。
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弁護士 林 朋寛
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浅利圭一郎『決めごとのきまりゴト 1人1票からはじめる民主主義』(2014年・旬報社)に、林のインタビューも掲載されています。
今日(7月10日)は参議院議員選挙の投票日です。
私は、7年前の衆議院議員総選挙の際から、一人一票訴訟に関わってきています。
今回の参議院議員選挙についても選挙無効訴訟を提起します。
この一人一票訴訟について、この本も参照していただければ幸いです。
関西系の雑誌ですが、Meets Regional(ミーツ リージョナル) 2016年 08 月号に「県人に聞け」という連載があります。
104〜105頁の見開きです。今回は、札幌市内の飲食店が紹介されています。
この記事内の105頁の写真2枚に、林がお客さんとして写っています(青い色のジャケット)。
ご覧頂ければ幸いです。
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弁護士ドットコムニュースに、林が取材を受けた記事が公開されています。
ご覧頂ければ幸いです。
J2長崎の選手へのツイッターの書き込みは、コンサドーレ札幌のハッシュタグが付いて投稿されたものだそうです。
コンサドーレ札幌を貶める行為でもあり、長崎の選手と札幌の両方の点から責任が問われるべきでしょう。
平成20年(2008年)5月ころから、沖縄の地域ブログのサービスを利用してブログ↓を続けてきました。
このたび、事務所HPを開設し、ブログページも設置することにして、こちらで続けることにしました。
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