戦争放棄条項が入った経緯・理由

日本国憲法 9条に込められた魂』(鉄筆文庫・2016年)540円

 この文庫は、我が国の憲法全文を載せて、付録として次の資料を掲載しています。

付録1 年表

付録2 ポツダム宣言

付録3 非核三原則

付録4 武器輸出三原則等

付録5 幣原先生から聴取した戦争放棄条項等の生まれた事情について

 

 付録となっていますけど、この本のメインは、

付録5 幣原先生から聴取した戦争放棄条項等の生まれた事情について

でしょう。

 この幣原先生というのは、幣原喜重郎のことで、敗戦後の昭和20年10月6日に昭和天皇の命で首相に就いて、現憲法の制定に携わった人物です。

 幣原から昭和26年に聞き取りしたメモに基づきまとめられ、昭和39年に公開されたものです。

 

 これを読むと、”押し付け憲法論”が実に浅薄な主張であると感じざるをえません。

 戦争放棄条項については、幣原ひとりの結果ではないでしょうが、歴史(過去)と未来を見据えつつ、現在(当時)の情勢をリアルに分析して、高い理想のもとで戦争放棄条項がまとめられたことが分かります。戦争放棄条項のある意味裏返しとして天皇制が守られて我が国の連続性が保たれたのでしょう。

 

 こんにち、憲法改正をウンヌンする前に読まれるべき資料だと思います(短いのですぐ読めます。)。

 

 

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弁護士 林 朋寛

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