美術評論家連盟のシンポ「美術と表現の自由」

 先日(7月24日)、東京都美術館で開催された美術評論家連盟主催のシンポジウム「美術と表現の自由」を聞いてきました。(ちょうど上京しているタイミングだったのと、東京都美術館で開催中の ポンピドゥー・センター傑作展ーピカソ、マティス、デュシャンからクリストまでー を観たかったところでした。)

 シンポについては、トゥギャッターでまとめがありますし、後日、文字起こしが公開されるそうです。

 

 職業柄、表現の自由(憲法21条)などについて論じるのを聞くのは弁護士や学者からのことが多く、法律家ではない立場の方の報告や見解をうかがうのはとても新鮮でした。

 それと同時に、うるさい法律家ではない分野の方から「表現の自由」を取り上げなければならないほどの危機感がある現在の日本の状況に改めて慄然としました。

 

 自由を守るには、今回のシンポのように、自由を制限しようという制度や対応や空気に対して抗う声をあげるといった不断の努力が必要だと感じましたし、自由や憲法は法律家のオモチャではないことも実感しました。

 

 

 文字起こしが公開されれば多くの人(法律家や美術関係者でない方)に見ていただきたい企画でした。

 ただ、過去の出来事についての報告は大変興味深かったのですが、もっと現在の状況についても報告・意見をいただきたいところでした。同連盟の今後の企画も期待しています。

 

 

 

早寝早起きに

 私はもともと”宵っ張りの朝寝坊”で、朝が苦手の夜型人間でした。

 

 先月、本屋でふと手に取った小山薫堂明日は心でできている』の109頁「日常の中で誰でもできる10の冒険」の中で 夜8時に寝て、朝3時に起きてみる というのが載っていました。

 これを見て、その日に8時に寝て3時に起きてみました。

 すると翌日がかなり長く密度の濃い日のように感じられました。

 さすがに毎日夜8時に寝るのは、社会人では難しいでしょうし、3時に起きるのもキツいです。

 それでも夜は10時前後に寝て、朝4時5時ころに起きるように朝型に変わりました。

 

 人間変われば変われるものです。

 

 今では、朝に開催しているイベントを探したりとか、朝のスタバに行ったりしています。先々月までは考えられない生活リズムになりました。

 

 

 それゆえ、当事務所では早朝相談(朝7時ころから)が可能になっています。

 

 

〒060-0003 札幌市中央区北3西7 1-1 SAKURA-N3

北海道コンテンツ法律事務所

電話070-5530-0884

弁護士 林 朋寛

(札幌弁護士会所属)

http://www.sapporobengoshi.com

 

 

都知事選報道と「知る権利」

 前職の知事の辞職により、この7月31日(日)に東京都知事選挙の投開票が行われます。

 立候補者は、これまで最多の21人だそうです。

 しかし、テレビ局や新聞社は、勝手に主要3候補と決めつけて、その3候補に関する報道ばかりをしているようです。NHKより民放の報道の方が偏っているようで、報道時間でいうとその3候補に97%、その他の候補(18人)には3%しか使っていないという分析もあるようです。

 

 今回の都知事選について、マイベストプロ北海道でコラム【都知事選が面白そう】を投稿しました。

 このコラムで言いたかったのは、全国民の知る権利を軽んじているということです

 都民の知る権利ではなく、全国民の知る権利ということです。

 

 地方自治は、その地域に限られずに他の地域・全国に波及します。

 我が国の首都・東京の知事を決める選挙は、誰が当選するかということもその公約や政策論争も、今後の我が国・他の地域に影響します。その選挙について、非常に偏った報道がなされるというのは、日本の全国民の知る権利(憲法21条)を報道機関が無視軽視しているといえると思います。

 新聞社がそのような偏った報道をしているのであれば、今後二度と、公平中立な報道をしているとか社会の木鐸などと偉そうに言わないようにしていただきたいものです。

 また、テレビ局は、公共の資源である電波を使用している以上、より公共性が求められるべき報道機関です。テレビ局が選挙民である東京都民に偏った判断材料しか提供せず、日本国民に充分な質・量の報道をしないのであれば、免許を返上してネット放送にでも事業変更してもらいたいと思います。(なお、ネットニュースでも偏向が言われている件があります。)

 

 報道機関には、表現の自由(憲法21条)がありますので、何を報道し何を報道しないか、どのように報道するのかを自由に決めて良いことは良いのです。しかし、特に、政治的な報道については、国民の側で選挙権などの適切な政治行動が取れる前提となる知る権利(情報を受領する権利)の裏返しとして、報道機関の表現の自由が保障されるものと考えられます。

 一般国民のために国家・社会があって国民の自由を保障しているのであって、国民あるいは社会のごく一部である報道機関のために国家・社会があり報道機関の自由を保障しているわけではないからです。

 

 

 今さらテレビ局や新聞社に何か期待するというわけではありませんが、一部の心あるマスコミ関係者に改めてもらってまずは残りの選挙期間の報道に改善が見られることを希望しています。

 

 

 

Q&Aサイトで法律問題を聞くことについて(続き)

 前回ブログの続きです。

 

 Q&Aサイトで質問をする場合、質問者の側で問題解決に繋がらないのではと思われる次のようなポイントがあります。

 

・質問者に不利益なことは意識的あるいは無意識に質問内容に書かない可能性がある。

・質問者が事実をきちんと整理して書くことができていない。

・質問者が思い込みで事実や資料と違うことを”事実”として書いてしまっている。

・質問が長すぎて、回答する側に読んでもらえない。

・不要な事実が多すぎて、回答する側に読んでもらえない。

・質問が抽象的すぎて回答が難しい。

・質問事項が複数で回答する側の負担が大きくて、任意で回答する側としては回答しないでスルーしがち。

 

 と、ざっとあげると以上のようになります。

 

 

 私が、Q&Aで質問を見ると、回答を待っているような状況ではなく早く近くの弁護士を探して実際に相談・依頼すべきものもあります。

 

 法律相談は、手元にある資料を見ながら、相談者からのお話をうかがいつつ、質問して事案や問題点を整理しながら、今すべき対応などを探っていく作業です。

 一方通行になりがち(できても数回のやり取り)でしかないQ&Aサイトでは、事案の整理や問題点の探求に限界があります。

 

 お近くに相談できる弁護士がいないという方は今はかなり少なくなってきていると思いますので、遠慮せずに弁護士の法律相談を申し込むのが悩みの解決にとって早いし確実だと思います。

 

 

 

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Q&Aサイトで法律問題を聞くことについて

 質問を投稿して誰かが回答するQ&Aのサイトがあります。

 そういったサイトで法的な問題についての質問・回答を見ていて思うことがあります。

 

 

 

(1) 回答者が主に匿名のサイト

 回答者が専門家ではない(専門家とは限らない)ので、その回答の正確性には何の保証も無いので、その回答を信用してしまうと危険なことがあります。

 そういうサイトだと、知ったかぶりで回答することで自己顕示欲などを満たしているに過ぎないような回答が散見されます。

 それに、そういった無料利用のサイトで専門家がわざわざ回答してくれることも期待できません(法律問題ではありませんが、名だたる専門家が複数回答してくれたというのでニュースになった件がありました。まれなケースだと思います。)。

 

 

(2) 回答者が誰か明らかなサイト

 少なくとも裁判関係で、弁護士ではない人(それらしい民間資格とかNPOとか、裁判を扱う権限のない●●●士とか)の回答は弁護士から見て誤っていることがあるのであまりアテにしない方がいいでしょう。

 

 弁護士が回答してくれるサイトもあります(私もそういうサイトで回答することもあります。)。問題は、広告目的で適当な回答を数多く投稿する弁護士アカウントも見られることです。回答者は弁護士でも”中の人”はその弁護士本人なのか疑わしい回答も見かけます。

 弁護士が回答していることになっていても、間違った回答がされている場合もあります。

 無料(あるいは低額)で気軽に利用できるメリットもありますが、無料・気軽な情報は特に玉石混淆であるデメリットもあります。

 

 

 質問者側の問題については、続いて書きます。

 

 

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北海道の漫画

 先日の北海道新聞のコラム(魚眼図)で松原仁公立はこだて未来大学教授が北海道が舞台の漫画を紹介していました。

 映画化の宣伝を見かけていた『僕だけがいない街』(全8巻)も北海道苫小牧も舞台になっているのを知りました。購入して読みましたが、展開が早くスリリングで面白いです。

 

 そのコラムでは紹介されていませんが、三田紀房『インベスターZ』も北海道の架空の中高一貫校が舞台です。

 その12巻では、北海道活性化のアイデアが出てきます。札幌中心でいると気付かない・言えないアイデアだと思いました。

 

 このブログを書きながら検索してみると先月に13巻が出ていたので、早めに読もうと思います。

 

 

 

車椅子の弁護士

 先日の北海道新聞の はいはい道新 で、札幌の弁護士で電動車椅子を使っている方の記事が載っていました(実家の母の切り抜きを見たので日にちは不明。)。

 車椅子で道路を渡るときにひっくり返り、通りがかりの多数の人に助けられたという話でした。

 

 私は、その弁護士をまだ存じ上げません。

 いつから車椅子を使っているのか存じ上げませんが、雪道になったらより大変な移動になるのでしょうね。

 

 

 ふと思い出したのが、福岡の弁護士で作家の法坂一広先生がブログでお怒りになっていたことです。

 ご病気で車椅子を使うようになっているようで、弁護士会や会館へのご指摘でした。(変換ミスなのかどこの弁護士会館の問題かはよく分かりません。)

 私自身は車椅子を使ったことがないので想像でしかないのですが、札幌弁護士会の会館も、あまり車椅子の方に便利そうには感じません。

 法坂先生のブログで指摘されている「障害者の権利に関する委員会なんかもあるはずなのに、身内のことさえ考えられないなんて、結局偽善じゃないのか。」ということが、札幌弁護士会でも言えるかどうか気になるところです。

 

 

  などと言ったものの、当事務所の入っているところは2階に階段を登っていただかないとならないので、全くバリアフリーではなくて申し訳ないです。

 

 

一人一票実現訴訟の提訴

 一昨日(7月10日)に実施された参議院議員選挙について、昨日、選挙無効訴訟を札幌高等裁判所に提起いたしました。

 NHKニュース北海道新聞などでも報道されています。

 

 選挙無効訴訟の形式上、北海道選挙区の選挙の無効を求めています。

 私の参画している弁護士グループでは、全45選挙区について8つの高裁(本庁)と6つの高裁支部の計14の裁判所に選挙無効訴訟を提起しています。

 私は、沖縄にいた平成21年(2009年)8月の衆議院議員総選挙の無効訴訟のときから参加しています。

 この選挙無効訴訟は、党派制のあるものではありません(そもそも2009年の選挙は民主党が勝って政権交代がなされた選挙です。どこが勝とうが負けようが、投票価値不平等の選挙はおかしいのです。)。

 

 選挙無効を求める理由は、選挙区ごとの一票の価値が不平等であるということです。

 今回の参議院議員選挙で議員1人あたりで最も選挙人数(有権者数)が少なかったのは福井県選挙区です。

 提訴では昨年9月2日時点の有権者数を基に計算して、福井の1票に対し北海道0.43票と表現しています。

 これは、次のように計算します。

 

福井の有権者数  644,447人、議員定数2(半数改選)

北海道の有権者数4,537,448人、議員定数6(半数改選)

 

議員一人当たりの有権者数

 福井322,224 北海道756,241(4,537,448÷6)

 

選挙区の有権者数の格差(較差)

 福井1に対して北海道2.347 (756,241÷322,224)

 

投票価値

 福井の有権者の1票に対して北海道の有権者の1票の価値は0.43票322,224÷756,241)

 

 

 こういった投票価値の不平等が放置されたままで選挙が行われると、

選挙区選出の議員の過半数を、

過半数に満たない国民の中から選出することになり、

全国民の代表として議員が行動する国会での議決が国民多数の意思あるいは支持、信任によるものといえるだけの

正統性を欠くことになるからです。

 別の観点でいうと、国民の多数の中から選出された議員が議会の多数派にならない選挙

間接的に民意を反映する議会を構成させる正当な選挙とは思われないからです。

 

 

 

 現在の投票価値の不平等の歪みは、次のような結果にも表れます。

福井県選挙区の当選者の獲得票数は、217,304票でした。

北海道選挙区の次点(落選者)の獲得票数は、482,688票でした。その次の落選者は239,564票でした。

福井の1票に比べて最も投票価値の軽い埼玉県選挙区では、次点486,778票、その次228,472票でした。

 投票した有権者数が少ない者が当選し、多い者が落選しています。

 

 もちろん、選挙区から1人を選ぶ小選挙区制と複数人を選ぶ大選挙区制の違いや、選挙区ごとの立候補者の数や投票率の違いがあります。しかしこのような差が生じているのはあまりに不平等です。

 

 

 

 参議院議員も衆議院議員も「全国民の代表」であって、都道府県の代表ではありません

 我が国は、都道府県の連邦ではありませんから、都道府県代表を選出する歴史的な根拠も無いです。

 あたかも都道府県の代表のように利益誘導を叫ぶ政治家(及びその政治家を議員にしてきた国民)が我が国を蝕んできたのだと思います。

 これまでの最高裁判例でも指摘されていますが、都道府県の区割にこだわっていては投票価値が平等の選挙区割りや選挙制度はできません。平成24年の公職選挙法改正のときに附則で平成28年の参議院選挙までに抜本的改正をすると決めたはずでしたが、まったく抜本的改正がなされませんでした。

 

 

 

 本当に選挙無効になったら国会がストップするのではないかと心配されるかもしれません。

 今回の選挙が無効となっても、参議院議員は比例代表で選出された議員と非改選の議員がいますから、その議員で構成する参議院と、衆議院で本当に抜本的な選挙区割りを最優先で早急に決めればいいのです。(暫定的にでも全国単一区での選出で再選挙でいいと私は思います。)

 

 

 

 今後、憲法改正を議論するのであれば、

現行憲法を遵守できるだけの倫理観と品位と知性のある者が議員であると同時に

選出される選挙に問題のない議員によってなされるべきです。

(衆議院も参議院もその選挙区選挙の区割そのものは憲法違反とこれまでの訴訟で判断されています。)

 

 少なくともまともな選挙制度での選挙が実施されるように、この訴訟を続けていきたいと思います。

 初回の口頭弁論期日は8月下旬か9月初めになると思います。初回期日で結審して、10月に判決が出ると思います。

 

 今後の報道等にご留意いただければ幸いです。

 

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一人一票の本

 浅利圭一郎『決めごとのきまりゴト 1人1票からはじめる民主主義』(2014年・旬報社)に、林のインタビューも掲載されています。

 

 今日(7月10日)は参議院議員選挙の投票日です。

 私は、7年前の衆議院議員総選挙の際から、一人一票訴訟に関わってきています。

 今回の参議院議員選挙についても選挙無効訴訟を提起します。

 この一人一票訴訟について、この本も参照していただければ幸いです。

 

 

 

選挙割に便乗します

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MeetsRegional 8月号(7月1日発売)

 関西系の雑誌ですが、Meets Regional(ミーツ リージョナル) 2016年 08 月号に「県人に聞け」という連載があります。

 104〜105頁の見開きです。今回は、札幌市内の飲食店が紹介されています。

 この記事内の105頁の写真2枚に、林がお客さんとして写っています(青い色のジャケット)。

 ご覧頂ければ幸いです。

 

 

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