”紅白歌合戦”で”投票価値の平等”を説明してみます。

 昨年末の第67回NHK紅白歌合戦では、視聴者投票等では白組の圧勝のようでしたが、

会場の特別審査員の投票結果で、紅組の優勝となりました。

 紅組司会の有村架純さんも結果に戸惑っているように見えました。

 

 

 NHKのサイトやニュース等によると、

視聴者審査(累積);ボール2個 

 紅組2,527,724票  白組4,203,679票

会場審査(双眼鏡で数えるやつでしょう);ボール2個

 紅組870票 白組1,274票

ふるさと審査員(実質6人);ボール1個

ゲスト審査員10名;ボール各1個・計10個

ボール合計15個

結果  紅組;計9個 白組;計6個

ふるさと審査員1個とゲスト審査員10個のボールの内訳は、紅組9個白組2個となります。

ふるさと審査員の1個が紅白どちらだったかは不明です。

 

 視聴者投票は累積だったり、視聴者投票や会場審査が結果として2票だったりしていますので、

投票価値の比較は正確には難しいところもあります。

 ただ、この結果を材料に、投票価値の平等について説明してみたいと思います。

 

 

視聴者選挙区(議員定数2名);選挙人数6,731,403人(2,527,7244,203,679

 →議員一人あたり選挙人3,365,701人

会場選挙区(議員定数2名);選挙人数2,144人(8701,274

 →議員一人あたり選挙人1,072人

ふるさと選挙区(議員定数1名);選挙人数6人

 →議員一人あたり選挙人6人

ゲスト選挙区第1区〜第10区(議員定数各1名);選挙人数各1人

 →議員一人あたり選挙人1人

 

 選挙人数というのは、選挙人(有権者つまり投票する人)の数です。

 上記のたとえでは、議員総数は15名、選挙人数(有権者数)は合計6,733,563人となります。

 

 ここで、投票価値の重い選挙区つまり1票の価値が重い(議員一人あたりの選挙人数が少ない)のは、ゲスト選挙区第1区〜第10区の各選挙区です。

 このゲスト選挙区の1票の価値に比べると、

ふるさと選挙区の1票は、約0.16票の価値しかないことになります(議員1名÷選挙人6人)。

 会場選挙区の1票は、約0.00015票の価値しかないということになります(議員1÷選挙人1,072)。

 視聴者選挙区の1票に至っては、約0.00000029票の価値です(議員1÷選挙人3,365,701人)。

 

 

 紅組党と白組党の2つの政党が各選挙区に立候補者を立てているとします。

ゲスト選挙区の10選挙区のうち、8選挙区が紅組党、2選挙区が白組党が勝ち、

ふるさと選挙区では紅組党が勝った(紅組支持6人・白組支持0人)とすると、

白組党は、4,204,955人(4,203,679+1,274+0+2)の支持を得たのに、6人の議員しか選出できず、

他方で、

紅組党は、2,528,608人(2,527,724+870+6+8)の支持で、9人の議員を選出して、

15人の総議員の過半数を得たことになります。

 つまり、少数の支持しか得ていない政党が議会で過半数を得てしまう結果になりかねないのが、

投票価値の不平等の選挙区割りということです。

 

 

 紅白歌合戦は、イベントですから、テレビに映るゲスト審査員と視聴者の投票価値が不平等なのは、

仕方のないことなのかもしれません(ただ、あまりに差がありすぎるとコンテンツとしても面白味に問題がでているでしょう。)

 

 しかし、現実の選挙(衆議院・参議院の選挙区選挙)では、上記のような極端な不平等ではないものの、

衆議院の小選挙区では宮城5区の1票に対して東京1区が0.46票だったり、

参議院の選挙区では、福井選挙区の1票に対して埼玉選挙区が0.33票だったりしています。

 そのような歪んだ選挙区割りは、温存されたままです。

 今の日本の国会が歪んだ選挙区で選出された議員で構成されているままであることに慄然とします。

 

 

 

 

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弁護士 林 朋寛

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